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川崎フロンターレ名物部長が企てた、
漫画『テルマエ・ロマエ』とのコラボ。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byKAWASAKI Frontale

posted2012/02/27 10:30

川崎フロンターレ名物部長が企てた、漫画『テルマエ・ロマエ』とのコラボ。<Number Web> photograph by KAWASAKI  Frontale

『テルマエ・ロマエ』内で「平たい顔族」と称されて登場する日本人の代表として、中村憲剛、楠神順平の両選手が実際に銭湯で自画像を描いた

古代ローマの衣装に扮した中村憲剛が銭湯を救う!?

 天野はすぐに出版元のコミックビーム編集部にコンタクトを取り、プレゼンテーションを申し込んだ。

「先方は編集者ひとりで、プレゼンをするこちらも僕ひとり。とにかく思いを伝えなきゃと思って、『フロンターレっていうクラブ名はイタリア語。Jリーグでフロという文字が入っているのも40クラブ中うちだけです』と全チームの一覧表のフロンターレのところだけ色を変えて見せました。『だから、御社に来ないと逆に失礼だと思いまして!』と言ったら、ドカーンと受けてましてね。作者のヤマザキマリさんも銭湯業界の未来を危惧しておられて、『いっしょに銭湯業界を救いましょう!』という感じで話がトントン拍子に進んで行ったんです」

 今では日本代表の中村憲剛が古代ローマの衣装に扮したクリアファイルがコミックビームの付録になるなど、浴場組合、クラブ、作品の三者がいい関係を築けている。

Jリーグのブランド力を生かした地域貢献を。

 すでに天野は第三弾のアイデアを思いついている。

「どんどんハードルが上がって行きますが、もう第三弾を考えました。でも、やっぱり一番大変なのは一発目の種を見つけること。これからもいろんな企画の種を見つけて行きたい」

 4月生まれの天野の「春果」という名前には、「春の果物のように冬の寒さに耐えながら、春を待ちこがれる人間になってほしい」という両親の願いが込められているそうだ。少々強引かもしれないが、天野が川崎で取り組んでいるプロモーションの仕事はまさに、名前そのもののような気がする。

 Jリーグは観客動員数が伸び悩み、決して楽観視できる状況ではないが、他の業界からすれば、その知名度とイメージには間違いなくブランド力がある。ただ単に観客動員数を増やすためにキャンペーンを行うのではなく、地域貢献の一環として他の業界に力を貸すという天野の“発想”は、他のクラブにも大いに参考になるのではないだろうか。

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