日本代表、2014年ブラジルへBACK NUMBER
高校生とベテランを呼んだ深い意図。
国内組招集に見るザックの戦略とは?
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byToshiya Kondo
posted2012/02/21 10:31
ザッケローニ監督は久保裕也に関して「何でも器用にこなせる現代的なアタッカー」と評した。磯村亮太や柴崎岳と並んで「協会としてもいずれ彼らは代表で重要な選手になるはずだと考えている」と語っている
Jの舞台に立つ者すべてにザックは視線を注いでいる。
昨季、Jリーグ1年目で12得点を挙げた23歳のストライカー金園英学や、20代後半の林卓人、近藤直也も名を連ねた。この金園をはじめザック体制で初めて呼ばれた選手は全員、昨年のJリーグで活躍している。と同時に指揮官は、キャンプ地にまでそれぞれスタッフを派遣して選手のコンディションをチェックさせている。
「スタッフからプレシーズンのキャンプで非常にキレのある動きをしているとの情報が上がってきていた」
と、大久保の招集についてはこんなコメントも残している。キャンプでの状態、サッカーに取り組む今の姿勢も判断材料にした。
2012年に入って李忠成、ハーフナー・マイクらが自己のレベルアップを求めて海外に飛び出したことからも、海外組はより増えていくだろう。だが、アイスランド戦のように国内組だけで戦わなければならない試合も今後は増えるはずだ。そうなれば国内でプレーする選手たちにとって招集のチャンスは広がる。コンディションが良く、向上心を高く持って、そのうえで活躍していけば誰でも招集される可能性を持っているということになる。
年齢の壁もなく、J1、J2のカテゴリーも関係ない。Jの舞台に立つ者すべて、日々のトレーニングからザッケローニの視線が突き刺さっていると考えたほうがいい。
チャンスは目の前にある――。
2012年一発目のメンバー発表で示された指揮官からのメッセージ。Jリーグでプレーする選手たち、奮起せよ――。