プレミアリーグの時間BACK NUMBER
宮市亮が放った「輝き」と「甘さ」。
プレミアデビューを現地はどう見たか?
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byPress Association/AFLO
posted2012/02/13 11:55
稲本潤一、戸田和幸、中田英寿に続く4人目の日本人プレミアデビューを飾った宮市亮。“アーセナルの主力”という目標に向け、大きな一歩を踏み出した
チェルシー、マンCと待ちうける最高の“レッスン”。
オランダでの昨季後半は、守備面の要求が少ないリーグ環境で攻撃力を存分に発揮したが、より攻守の切り替えが速いプレミアのピッチに適応する上で、実戦を通しての守備意識の改善は避けて通れない。「期待通りのインパクトだった」というウィガン戦後のコイル発言を聞けば、ボルトンで出場を重ねることは想像に難くない。チェルシー、マンチェスターCと続く次節からの連戦でも起用されれば、移籍早々に最高レベルの“レッスン”を体験できることになる。
昨年9月のトップデビュー後、宮市は、「ベンチ入りはしていましたけど、ピッチまでの距離は近いようで遠かったんです」と言っていた。それから5カ月、アーセナルとの契約締結から数えれば丸1年を経て、“RYO”は、ベンチとプレミアのピッチを隔てていた白線を越えた。シュートチャンスすら訪れなかったアーセナルでのデビュー戦とは違い、ボルトンでのデビュー戦ではゴールにも迫った。
出場機会が増えれば、対戦相手にも研究され、得意のドリブルを、プレミアDF陣の強さや巧さで止められる場面も増えるだろう。だが、焦らずに進めば良い。シュートはネットに届かなかったが、「アーセナルで主力になりたい」という大きな目標に向かって、更なる一歩を踏み出したのだから。