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クロップ監督が異例の長期契約延長。
欧州制圧を狙うドルトムントの野望。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byItaru Chiba

posted2012/02/12 08:01

クロップ監督が異例の長期契約延長。欧州制圧を狙うドルトムントの野望。<Number Web> photograph by Itaru Chiba

2016年6月までの契約延長が決まったクロップ監督。全うすれば、8シーズンでクラブ史上最長期間となる

香川をはじめとする主力選手にも契約延長のオファーが。

 クラブの実質的なトップであるヴァツケCEOは、今回の契約延長劇について、胸を張る。

「今回の契約延長にリスクは無いんだ! 実際に、主力選手であるピスチェクやS・ベンダーなどは、2016年6月末までクラブと契約を結んでいるんだから」

 監督とSDだけではなく、現在の所属選手を含めた強化策がしっかりと練られているという自負があるのだ。

 これからは主力選手のさらなる契約延長にむけて、動き出すという。昨シーズン、クロップ監督とツォルクSDの契約延長を終えたあとにも同様の動きがあったが、さらに盤石な体制を作り上げようとしている。

 先日、こんなやりとりがあった。ドルトムントの地元記者が日本人記者にこっそりと近づき、熱心に話しかけてきた。

「なぁ、カガワの契約延長について何か知らないだろうか? クラブは目の色を変えてカガワと契約を延長したがっているんだ」

 件の記者は、後半戦が始まる前には「カガワは今季終了後に移籍する可能性が高いと思う」と自信満々に語っていたのだが……。

 もちろん、香川が来季終了までの契約を延長するかどうかについての決断をすぐに下すようには思えない。しかし、何としてでも主力選手を引きとめ、さらなる高みを目指そうとクラブは本気で考えていることがこのエピソードからうかがえる。

クロップ監督は夢の欧州制覇へと意を決する。

 クロップ監督がドルトムントにやって来てから、すでに3年半が過ぎた。ブンデスリーガ開始以来、ドルトムントの監督としての在籍日数はすでに歴代3位になった。4シーズン率いて2位につけているザマー(現ドイツサッカー協会SD)を抜くことはほぼ確実。そして、現在の契約を満了すれば、1位につけるヒッツフェルトの6シーズンという記録をも抜くことになる。

 ドルトムントを率いてリーグ連覇を果たし、クラブ史上初めてCLのタイトルをもらたしたレジェンドに並ぼうとしているのだ。クロップ監督は未来への思いをはせる。

「監督業っていうのは、ノマドのような生活を強いられるものだからね。こうしてドルトムントと契約を延長することが出来て、本当に、本当に、嬉しいんだ。これからの目標は、ヨーロッパレベルでの戦いになる」

【次ページ】 主力スポンサーとの契約延長も締結し、財政面も盤石に。

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