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<私とカラダづくり> 岩瀬大輔 「経営にはコンディショニングが必要だ」 

text by

松山梢

松山梢Kozue Matsuyama

PROFILE

photograph byAsami Enomoto

posted2012/02/02 06:00

<私とカラダづくり> 岩瀬大輔 「経営にはコンディショニングが必要だ」<Number Web> photograph by Asami Enomoto
理想のカラダは人それぞれ。みんな何かを変えたいと思ってる。
そこで雑誌Number Do「理想のカラダのつくりかた。」では、

100人のトレーニングに迫りました。
ウェブでは今回、ネットのみで販売という形態で保険業界に大きな
衝撃を与えたライフネット生命代表取締役副社長・岩瀬大輔さんの
カラダづくりを特別公開します。

 シンプルでわかりやすいサービス、そしてインターネットでのみ販売するという形態が話題となり、保険業界に大きな衝撃を与えたライフネット生命。30歳の若さで立ち上げに参加した副社長の岩瀬大輔は、多くの部下を持って初めて、自分のカラダをコンディショニングすることが、会社経営においても重要であることに気付いたという。

 外資系企業に勤めていた20代の頃はめちゃくちゃ忙しかったので、カラダのコンディショニングなんて考えたことがなかったんです。家には基本的に寝るために帰るだけ。朝まで会社で寝てしまうこともありました。それでも若いころはなんとかなったのですが、今は経営者という立場上、僕が眠そうな顔をしていてはダメ。常に判断がシャープで冴える、いちばんベストな状態でいなければいけないと教えられたんです。

 たまたま成り行き上、今の社長とふたりでライフネット生命を創業したのですが、僕はそれまで1人も部下を持ったことがなかったし、特別保険やネットに詳しいわけでもなかった。もちろん、ビジョンを示すことや外部に対して会社をアピールするという仕事はありますが、直接保険金の申し込みの審査をするわけではないし、広告を作るわけでもない。

 僕の役割は、毎朝フレッシュに元気よく会社の中を歩き回っていることなんです。明るくみんなを引きつけてモチベーションを高める社内の「チアリーダー」であることが、いちばん大切な仕事だと思っています。

ちょっとしたプレッシャーが、自分にとっての適度なペースメーカー。

 そのためにはまずコンディショニングが大事。最近は早く寝たり、お酒を飲みすぎないように気をつけるようになりましたし、ちょっと体調が悪いときはカラダを温めるようにしています。考えてみれば、イチロー選手が朝まで素振りして眠いとか、試合の前の日に朝まで飲んでいたなんて、ありえないじゃないですか。僕らビジネスマンにとってはオフィスが戦場。そこで最高の状態でいることはすごく大切な仕事だと思っています。

 もともとサッカーをやっていたので短距離は得意ですが、意志が弱く、ストイックではないのでコツコツ長距離を走るのが苦手。ランニングに対して心理的な抵抗がありました。ところが、今のオフィスになってから会社のみんなと皇居を走ってみたらすごく楽しかった。ひとりで走ると辛いけど、みんなと一緒だと「後輩の若い男には負けたくない」とか、「女の子より遅く走るわけにはいかない」というちょっとしたピア・プレッシャーが、自分にとっての適度なペースメーカーになったんです。

【次ページ】 「運動やメンテナンスに時間をかけること」の意味。

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岩瀬大輔

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