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米国の一般的評価は松坂より下!?
ダルビッシュのメジャー1年目予想。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byThomas Anderson/AFLO
posted2012/01/20 12:15
ノーラン・ライアン球団社長は「評判通りに実力を発揮しようとして、無用のプレッシャーを感じる必要は無い」とコメントを発表。ジョン・ダニエルズGMは「(テキサス・レンジャーズは)救世主を求めているわけじゃないのでね」と、ダルビッシュに過剰な期待がかからぬよう、配慮を見せている
MLBのファンやマスコミが予想した1年目の成績とは?
で、そのダルビッシュがどれだけ活躍できるのか? ここ数日、いや12月からアメリカではその予測が盛んだ。
映画『マネーボール』を見ても分かるように、数式と野球はアメリカで深く結びついているが、アメリカには日本の投手がメジャーに移籍した場合に、どれほど活躍するかを予測する「ダベンポート指数」という方程式まで存在する。
しかし2011年に日本では、公式球がいわゆる「飛ばないボール」になったので、様々な方程式も修正を余儀なくされている。そこまで突っ込んで考えるブロガーはまだ少ない。
様々な計算式や予測システムがあるが、“ZiPS Projection system”によれば、ダルビッシュの2012年のメジャーでの成績は次のように予想されている。
13勝7敗 防御率3.62 三振169個 四球46個
ちょっと物足りない感じもするが、松坂が1年目に残した成績と比較してみよう。
15勝12敗 防御率4.40 三振201個 四球80個
松坂が海を渡った時と比べると、期待値は低くなっていることが分かる。しかし、それはダルビッシュにとって追い風である。
アメリカで目立つ意見は、「松坂よりコントロールが良さそうだ」というもの。四球が少なければイニング数も増え、評価は高まる。1年目は勝利数よりも、「6回3自責点」というメジャー流のノルマ、「クオリティスタート」をどれだけ出来るかがポイントになると思う。