自転車ツーキニストのTOKYOルート24BACK NUMBER
ニッポンの自転車通勤に新提案!
「自転車ツーキニスト号」が遂に完成。
text by
疋田智Satoshi Hikita
photograph bySatoshi Hikita
posted2012/01/21 08:00
これが夢の通勤スペシャル号だ! ちなみに一緒に写っているのは、この自転車よりももうちょっと前に作った子供です! お父さんの自転車を細かくチェック中なのです
通勤スペシャル「10の特徴」とは?
10の特徴、重要性に軽重があるんだけど、順不同で並べてみたんで、それぞれに味わっていただきたい。意外にたまらんコダワリというか趣味というか風情があることが分かっていただけることと思う。
(1) 重量12kgというバランス
まずは軽さだ。この軽さというのは、自転車にとってはことのほか重要で、ごく乱暴にいうと「自転車の性能イコール軽さ」と言っていい。
軽ければ軽いほど良い自転車。これは基本である。
だから、通常20kg前後あるママチャリでは重すぎる。しかしながら、ロードバイクの8kg前後までにしてしまってもいいものかどうか。
そこまで削ると「走りに特化」というだけで、荷物も載らず、お気楽に乗れない。値段だって天井知らずだ。あとあと述べていく「通勤のために」に対応できない部分もでてくる。
というわけで、いかに高いレベルで重量と性能のバランスをとるかが勝負となる。
で、今回の通勤スペシャルは、12kg。
東洋フレームの手によるクロモリ鋼(鉄とクローム、モリブデンの合金。強くてしなるという特徴があり、乗り心地がよく信頼性があるが、アルミに較べると少しだけ重い)のフレームを採用した。スチール素材でこの数値は、ひとまずは合格点ではないかと思っている。
(2) 内装11段変速機
ここの部分がなんつっても「シマノ全面協力」のシマノたる部分だろう。
私は前々から、この「内装変速機」というものには注目していたんだけど、このシマノ・アルフィーネに出会って、初めて「これならイケる、いや、イケる以上だ」と思った。
このアルフィーネ、ハブの中に11段が内蔵されている。変速比は409%。つまり通常のマウンテンバイクと同じ程度か、それ以上をカバーしてるわけだ。重いギアは速く、軽いギアは楽。実際に乗ってみても分かるけど、東京都内でまず上れない坂はない。
内装だからメンテナンスフリー。ギアが剥き出しになっていないので、あたかもピストのようなすっきり外観が得られる。
そして(これが大きいんだけど)内装変速機は、停車時にもシフトチェンジが可能なのだ。交差点で停まる際にいちいちシフトダウンしていなくても、停まったままでローにできる。この特徴、初心者には大いなる福音であろう。
従来の内装変速機は、どうしても抵抗が大きくて外装のディレイラーに一日の長があったが、このアルフィーネには当たらない。驚くほどにスムーズ。抵抗感ゼロ。外装と較べても何ら遜色がない。
(3) 26インチホイール
通常のロードバイクやクロスバイクなら、700Cのホイールを装着する。今回のこれはそれより一回り小さい。その理由は、シティユースのGO&STOPの多さを勘案してのことだ。
慣性モーメントの必然として、ホイールが小さいと、漕ぎだし・停車が素早くなり、キビキビ走ることができる。
その上で、よりハイスピードをにらみ、1インチの細身ハイプレッシャータイヤを採用した。
街乗りという用途に関して、機動性、スピード、そして、乗り心地が、高い次元でバランスされたのではないかと思っている。
まだまだある。通勤に特化ということで言うと、従来のスポーツ自転車では「常識的ではない」と思われるものも考え直す必要がある。その代表的なものがスタンドであり、泥よけだ。