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中畑清は“演歌の心”で、
横浜を再生できるか。
~DeNA初代監督の理想~
text by
永谷脩Osamu Nagatani
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2012/01/10 06:00
中畑新監督は、アテネ五輪をともに戦った高木豊ヘッドコーチを招聘。Aクラスを目指す
監督を正式に受諾する前日、父親・辰雄さんの墓前に報告を済ませ、師と仰ぐ巨人・長嶋茂雄終身名誉監督を訪ねて、挨拶をした。義理と人情と礼節を重んじる中畑清が新球団・横浜DeNAベイスターズの初代監督に就任した。
いきさつには紆余曲折があった。最初に声を掛けられたのは工藤公康だったが、「信頼関係が築けなかった」(高田繁GM)という理由で破談に。その後、策を弄しない真っ直ぐな男・中畑の起用が決まった。
現役当時から“長嶋命”と公言していたが、実際は藤田元司の下で花開いて散った。'83年の日本シリーズでの中畑の打撃は今も脳裏に焼き付いている。第3戦、9回二死満塁の場面で、駒澤大の後輩・森繁和がストライクを取りにきた内角の直球を思い切りよく引っ張ってサヨナラ打。その後は外角球を狙い打って三塁打を2本放つ。“ゼッコウチョウ”の雄叫びばかりが目立つが、読みと思いきりを武器にしたチャンスに強いバッティングだった。