オリンピックへの道BACK NUMBER
ロンドン五輪・柔道代表への第一歩。
全日本体重別選手権に刮目せよ!
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byPHOTO KISHIMOTO
posted2010/03/31 10:30
2年前までは、すくい投、朽木倒、双手刈、肩車など欧州の選手が好むタックル技を得意技にしていた海老沼匡選手。'09年からの規制によりそれらの技が単独で使えなくなっても、強さは変わらなかった
世界で勝つよりも難しい!? 最激戦区の女子48kg級。
一方の女子は、軽量級を中心に充実の一途をたどる。グランドスラム東京で全階級制覇を果たしたのを皮切りに、年明けからの国際大会でも好成績を残し続けている。
とくに48kg級は、世界で勝つよりも国内で勝ち抜くのが難しいほど、活況を呈している。
国際大会の結果がそれを物語る。1月のワールドマスターズで浅見八瑠奈が昨年の世界選手権金メダルの福見友子を破るなどして優勝すると、2月6日からのグランドスラム・パリでは山岸絵美が準決勝で福見、決勝でアテネ五輪銀メダルのジョシネに勝って優勝。2月20日から行なわれたグランプリ・デュッセルドルフでは、福見が決勝で浅見にワールドマスターズでの雪辱を果たし、優勝している。最激戦区と呼べる階級を制するのは誰か、女子でもっとも注目されるところだ。
また、昨春に筑波大学入学後、全日本ジュニア、世界ジュニア、講道館杯、グランドスラム東京、グランドスラム・パリと優勝の78kg級、緒方亜香里も見逃せない。
ここにあげた選手はむろん、出場する誰もが視野に入れるのはロンドン五輪だ。
ベテラン勢があらためて存在感を示すか、若手が世代交代を促すか。そしてライバルとの争いを制することができるか。
代表争いに先んじるためにも、負けられない大会である。