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<私と旅ラン> 高橋盾 「朝走れば知らない土地の表情が見えてくる」 

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photograph bySara Montali

posted2011/11/24 06:00

<私と旅ラン> 高橋盾 「朝走れば知らない土地の表情が見えてくる」<Number Web> photograph by Sara Montali
決まったルートも、お固いルールもないのが「旅ラン」。
100人いれば、100通りのカタチがそこにはある。
走りながら景色を眺めるのも、仲間との時間を楽しむのも、
もちろん美味しい食べ物に舌鼓を打つのもよし。
今回はデザイナー・高橋盾さんの
「旅+ランニング」を特別に教えてもらいました。
ウェブでは、雑誌未収録部分も盛り込んだ特別版をお届けします。

 この写真は去年の9月、僕がデザインしたランニングコレクション「GYAKUSOU」の発表をかねてミラノを走ったときのものです。写っているのは「レッドスネイクス」という現地では有名なランニングチームのリーダー格、アンドレア。彼らの走り方はかなりのストリートスタイルで、車なんかをバンバンよけながら自由に走っていく。かっこよかったですよ。会話しながら走るのも、結構好きなんですよね。このときも「どんな音楽聴いてるの?」とか「普段はどこを走ってるの?」とか、話しながら走って。

 ランニングを始めたころから旅ランはやってましたね。仕事で定期的にパリに行っていたので、普段車でしか移動しない出張先を走ったらどんな感じなのかなと。実際に走ってみるとその街の色々な面が見えてきて。それからは国内海外問わず、どこに行くにもシューズとウェアを持って行くようになりました。

 だいたい朝走るんですけど、その土地の匂いみたいなものを感じられるのが楽しいんです。お店を開けるところだったり、出勤風景だったり、普段見られない土地の表情が見えてくる。現地のランナーに道を聞くこともあります。お互いランナーだから気軽に話せるんですよね。

知らない土地でいきなり走りだすという行為。

 走る前にコースを考えるのもおもしろいです。たとえばパリだったらセーヌ川沿いからエッフェル塔のほうに行ってみようかとか、この裏道入ってみようとか。そういう道は走らないと行けないですからね。仕事で行くと時間がなくて、どうしてもタクシーになってしまうけど、ランだと自由。途中のパン屋でパン買ったりもしますし、地元の人の生活を擬似体験できるんですよね。

 いままで旅ランをした国は、イタリア、フランス、アメリカ……。アメリカはニューヨーク、オレゴン、ハワイも。イタリアはフィレンツェ、ミラノ。アジアは香港、台湾……。結構ありますね。行った土地の数だけ旅ランをしてるという感じです。地図をプリントアウトして、わからなかったら地元の人に聞いて、最悪タクシーに乗ってホテルに帰ってこられるだけのお金は持っていく。知らない土地でいきなり走りだすという行為が好きなんですよね。

【次ページ】 「ランニングで地元再発見」もおすすめ。

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高橋盾

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