MLB Column from USABACK NUMBER
MLBが大規模な改造計画。
NYとボストンが他地区に引っ越し?
text by
李啓充Kaechoong Lee
photograph byGetty Images
posted2010/03/20 08:00
昨季9月26日、松坂大輔と松井秀喜の対戦。彼らはMLBの「最強」の2チームに所属でしのぎを削ったことになる
ヤンキースやレッドソックスとの試合で興行収入増も!
では、入れ替わりに、どのチームが東地区に行くのかということが問題になるが、たとえば、今年の場合、チーム再建中で始めからプレーオフ出場を諦めているインディアンスがその候補となる。
移動した場合、同地区相手の対戦回数が増えるので、インディアンスにとって「ドル箱」のヤンキースやレッドソックス戦の興行収入が増えるメリットがある。その年々、各チームの状況に応じて地区間の入れ替えを可能にするということが「流動地区制」の眼目なのである。
とは言っても、いまのところ「流動地区制」に賛成する向きは少なく、このアイディアが実現される可能性は低いと見られている。
2強のどちらかを中地区に移動させれば万事解決!?
しかし、改革が必要であることは多くが認めるところであり、さまざまな対案が出されている。その中でも私が一番おもしろいと思ったのは次の案である。
「問題の根本原因は、ヤンキースとレッドソックスの2強が同一地区に所属すること。だから、『流動地区制』などというややこしい制度を考えずとも、どちらかを中地区に移動させればそれで問題は解決する」
確かに一理あると思うし、私も大いに賛成したい。ただし、9年前に始めた「不均衡スケジュール」を止めて、地区が変わっても対戦試合数がいっしょという昔のやり方に戻すという条件付きだが……。
さて、8年間続いた本コラムも今回が最終回。長い間ご愛読して下さった読者に心からお礼を申し上げたい。今後は、私のブログでMLBコラムを続ける予定なので、そちらの方もご贔屓にしていただければ幸いである。