Number Do MoreBACK NUMBER
<SF作家の「自転車」論> 高千穂遙 「体型も作風も変わった」
text by
柳橋閑Kan Yanagibashi
photograph byTamon Matsuzono
posted2011/09/01 06:00
「旨いものを探して走りに行くのも醍醐味のひとつ」
「私にとってロードバイクは純粋に速く走るためだけの道具。週3回60kmずつのトレーニングと、ヒルクライムのレースで使っています」(スペシャライズド S-ワークス ルーベ SL3)
そこでおもしろい人たちに出会ったことがきっかけになって、『ヒルクライマー』という小説も書きました。さらに、雑誌で競輪の連載を始めてから、この魅力的な連中のことをもっと書きたいと思って、現在は競輪小説を書き下ろし中です(※その後、『グランプリ』と題して早川書房より刊行された)。
レースや練習だけでなく、仲間と高尾山に行って蕎麦を食べたり、旨いものを探して走りに行くのも醍醐味のひとつですね。いくら食べてもすぐにカロリーを消費するから、自転車は食べ歩きツアーには最適なんです。
とにかく自転車には飽きるということがない。ただ、誰でも乗れるとはいえ、ロードバイクはクルマでいえばF1のようなもの。とにかくスピードが出ますから、初心者の人は交通法規を覚えて、いやでも手信号をすることが大事です。マナーを守って、走りやすい道を探して、とにかく乗ってみてください。間違いなく楽しいですから。
◇ ◇ ◇
◆高千穂遙さんへのQ&A
1951年11月7日、愛知県生まれ。『ヒルクライマー』『グランプリ』など、自転車に関する著書も多数
Q1 どのくらいの頻度で乗っている?
ロードは月・水・金にトレーニングで60kmずつ。
Q2 自転車を始めたきっかけは?
高血圧、高脂血症、肥満で生活習慣病になりかけて。
Q3 自転車に乗って変わったことは?
健康診断の数値はよくなり、20kg以上痩せて容貌は別人に。小説の題材まで自転車になってしまいました。
Q4 自転車に乗る日のタイムスケジュールは?
5時半に起床し原稿執筆。9時頃に中断してロードバイクで3時間ほど走るか、ローラー台を2時間ほど。
Q5 今後の目標
ヒルクライムに年1回は出場し続け、60代の部で上位を狙いたい。ロードレースの小説も書きたいですね。
Q6 お気に入りコース
尾根幹(南多摩尾根幹線)。