青春GOLF ――石川遼に密着! BACK NUMBER
石川遼の“師”となった難コースたち。
今季最も厳しかったホール、ベスト3!
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2009/12/25 10:30
2009年度ジャパンゴルフツアー表彰式で史上初の9冠に輝いた石川遼。世界ランキングでも2009年度最終ランクが30位となり、マスターズへの出場条件に自力で達することとなった
“池ポチャバーディ”の美技でギャラリーを驚愕させたホール。
「日本オープンの6番のロングホール。あそこのティーショットは本当に難しかったと思います」
武蔵カントリークラブ豊岡コースの6番は532ヤードのパー5である。左サイドからは松の木がせり出し、右サイドには池がある。ティーショットの狙いどころが非常に狭い。
「しかも池の手前にラフがないんですもん。全部フェアウエーになっていて、それで最後は下ってるんですよ」
実際に石川は3日目にティーショットを右の池に落としていた。しかし、池の脇から258ヤードの3打目を3メートルのチャンスにつけて池ポチャバーディーの離れ業。転んでもタダでは起きないスーパープレーでギャラリーの度肝を抜いた。
最終日には、優勝争いの最中に携帯電話のシャッター音でプレーのリズムを乱されるなど、ここは良くも悪くも印象に残ったホールとなった。
「本当に今年はたくさんあったんですよね」と言って、石川はさらに熟考し始める。
厳しいコース設定から一切逃げずに戦った、2009年。
「あとは……フジサンケイの5番かな」
フジサンケイ・クラシックが行われる富士桜カントリー倶楽部の5番は501ヤードのパー4。セカンド地点はかなりの左足下がりで、グリーン左手前が池になっている。
「距離があるのでセカンドは7番アイアンか6番アイアンなんです。左足下がりだから球が右にいく傾向はあるけど、ピンが左にある時は右に逃げ過ぎたくはないし、つかまえたくもないんですよ」
この大会は2位に5打差をつけて優勝したとはいえ、5番では3日目と最終日にボギーを叩いている。「フジサンケイは7番のショートも嫌いです」。プレーし慣れた相性のいいコースにも難所は潜んでいたのである。
プレーしたすべてのホールを糧としつつも、これら“師匠”となったホールが石川遼にとって2009年のベスト3。いろいろな困難に直面し、それを乗り越えることで成長してきた石川。来年も厳しい師匠達に恵まれんことを、願う。