野ボール横丁BACK NUMBER
“おかわり君”中村剛也、
驚異の変化球打ちでHR量産中。
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2009/07/13 12:15
平田良介、中田翔と比較すると驚異的に柔らかい中村。
同じく大阪桐蔭出身のスラッガーである平田良介(中日)や中田翔(日本ハム)がなかなか芽が出ない理由は、中村と比べたとき、よりはっきりと浮かび上がってくる。変化球に弱点があるからだ。無論、それは2人に限ったことではない。プロの世界に入り、ほとんどの打者がまずはその壁の前で四苦八苦するのだ。
大阪桐蔭の監督である西谷浩一は、中村の魅力をごく短い言葉で語っていた。
「柔らかい。うちの歴代のバッターの中でも、いちばんじゃないかな」
シーズン55本の日本記録ペースでHR量産中!
これまで自分よりもすごいと思った打者はいるか、そう聞くと、まだ高校3年生だった中村は困惑したようにこう語っていたものだ。
「自分がどんだけすごいかわからないんで……」
昨日の時点で、中村はすでに30本塁打をマーク。シーズン本塁打の日本記録、55本ペースだという。
「こんだけ」すごかったのだ。いや、本当の意味で「どんだけ」かがわかるのは、まだまだこれからだ。