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全日本・武藤社長辞任で
感じた「残念なこと」。
~スーパー・ヘイト暴行事件の余波~
text by
門馬忠雄Tadao Monma
photograph bySports Nippon
posted2011/07/13 06:00
後楽園ホールで、内田新社長と武藤(前列左から3番目)ら全選手がファンに頭を下げた
6月7日、全日本プロレスは緊急記者会見を行ない、武藤敬司の代表取締役社長辞任と、内田雅之取締役の新社長就任を発表した。5月29日の神戸大会控え室で、スーパー・ヘイトこと平井伸和(フリー)が仲間のTARUから暴行され、試合後に急性硬膜下血腫で倒れた事件の責任をとってのことである。
開頭手術を受けたヘイト選手は、一命をとりとめたものの、まだ意識が回復していない。暴行現場にいたとされる3選手もTARUとともに無期限出場停止処分を受けている。
しかし、釈然としない。武藤の引責辞任、フロントの刷新、内田社長による新体制発足で、「全日本の出直し」という姿勢を示したことは十分理解できる。だが、肝心の武藤前社長自身が今回の不祥事に関し、一般のファン、観客に、直接、肉声の謝罪を行なっていないのだ。