青春GOLF ――石川遼に密着! BACK NUMBER
サインすべきか、無視するべきか?
石川遼の想い出は尾崎将の怖い顔。
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byGetty Images
posted2010/02/18 10:30
アメリカの有名オークションサイト「eBAY」にて、数万円の高値がついたとされる石川遼のサイン。コース脇には今でも多くのファンがサインを求めて来るが……
10歳の石川遼を感激させたジャンボ尾崎のサイン。
日本でも形は違えども、似たような問題はある。時間的な制約ゆえに、石川はサイン対象を子どもに限ることが多いが、そんな時に意地汚く抜け道を使う大人がいつも現れる。
自分のグッズを子どもに渡してサインしてもらったり、同じ子どもを何度も並ばせたり。サインをしている石川本人が、そうした行動に気づいていないわけがない。転売と同じように、そこには選手への敬意がない。
石川が初めて自分でもらったサインはジャンボ尾崎のものだった。東京ゴルフ倶楽部で行われた2001年の日本オープン、10歳の子どもがドキドキしながらジャンボに声をかけたのだ。
「ジャンボさんが怖い顔して歩いてきて、大人のお願いは無視してたのに、“サインください”って言ったら僕だけにしてくれたんです」
感激のあまり、その日は18ホールくっついてジャンボのプレーを見続けたのだという。少なくとも石川にとっては、選手にもらうサインとはそういうものなのだ。