MLB Column from WestBACK NUMBER

アメリカでチャンスを探す日本人たち。 

text by

菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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photograph byYasushi Kikuchi

posted2009/02/05 00:00

アメリカでチャンスを探す日本人たち。<Number Web> photograph by Yasushi Kikuchi

 奇しくもこの2人は同期で、日本での食事をしたことがある間柄だけに、2人で自主トレを行っている。もちろん34歳という年齢を考えれば、簡単にメジャー球団からの契約を獲得できるものではない。2人の現在の境遇ではマイナー契約から始めることになるだろうが、3Aに在籍しながらメジャー枠の選手に不測の事態が起こった際にメジャー昇格して活躍できるという実力だとの評価を受けなければ、なかなか球団も手を挙げてくれないだろう。だが2人の実績を考えれば、決して不可能な挑戦だとは思っていない。ぜひ彼らには納得できるまで現役続行してほしいものだ。

 実はこの2選手以外にも、前阪神の伊代野貴照投手や前ロッテの田中良平投手ら20代の若手投手たちも、LAを拠点に再就職活動を行っている。私が直接会っただけで4人の投手がいるのだから、まだ他にも再就職を目指す日本人選手たちがアメリカに来ている可能性が高い気がする。

 彼らはすべて自分のコネクションだけを頼りに就活を行っている。個人個人バラバラで行動しているためトレーニング場所やトレーニング相手を確保するのも決して楽ではないし、先の見えない就活は滞在日数をむやみに長引かせることにもなり、経済的にも大きな負担となる。また彼ら4選手のように自分なりのコネクションを有する選手はいいが、現役続行を望みながらもアメリカでの再就職活動の術すらわからない選手も多いことだろう。

 取材という立場ながら長らく野球界に身を寄せるものとして、なんとかしてより多くの選手たちに再就職活動の道を提供できないかと模索できないものかと考え始めている。選手のセカンドライフを支援する日本の選手会やアカデミーの協力を得ながら、アメリカで日本のような合同トライアウトを実施できるのが理想なのではないか。非力な自分だけでは実現は不可能だが、まずはいろいろな人々の意見を聞いてみたいと思っている。

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