フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
ロシアの13連覇がついに途絶えた!
最年長の中国ペア、宿命の金メダル。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byTakuya Sugiyama/JMPA
posted2010/02/16 20:35
ロシア代表川口&スミルノフのペアは無念の涙を呑むことに。
周囲の応援に励まされながら、今季は出場した試合すべてで、勝ち続けた。そしてたどり着いた4度目の五輪で、念願の金メダルを手にして史上初の中国ペア五輪チャンピオンになった。1964年から2006年までソ連/ロシアの選手が独占してきた五輪ペアタイトルの13連覇の記録は、彼らによって破られた。
だが勝利の喜びに沸く者がいる一方で、無念の涙を呑む選手がいるのが五輪だ。
ロシアの川口悠子&アレクサンドル・スミルノフは、SP3位と好調なスタートをきったが、フリーではいくつかミスが出て総合4位に終わった。かねてから五輪で成功させるのが夢だったスロウ4回転サルコウを、フリー開始直前にコーチによって封じられ、割り切れない思いを抱えたまま演技を開始した結果だった。日本の国籍を捨ててまで挑んだ五輪だけに、メダルを逃したことは無念に違いない。
それでもかつての中国のように、まだまだペア後進国である日本出身の川口が、ロシア、欧州ペアの王者として五輪に到達し、これほどまでのレベルで闘ったことを心から讃えたい。