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社会人の逆襲が始まる。 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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posted2007/12/05 00:00

 11月19日に行われた大学生&社会人ドラフトのテレビ解説(スカイ・A)を終えて翌20日に大阪へ行き、社会人野球の秋の全国大会、日本選手権を見た。ここで来年のドラフト候補選手だと思ったのが、小杉陽太(JR東日本)、佐竹功年(トヨタ自動車)、古澤翔(日本通運)、攝津正(JR東日本東北)、佐藤卓真(東京ガス)、蓬莱伸哉(王子製紙)の6投手だ。

 僕が見た範囲で彼らが記録したMAXスピードを紹介すると──小杉145キロ、佐竹145キロ、古澤143キロ、攝津143キロ、佐藤142キロ、蓬莱136キロ

 05年なら上野弘文(トヨタ自動車→広島)150キロ、小高幸一(鷺宮製作所)148キロ、宮崎充登(ホンダ鈴鹿→広島)152キロ、磯村秀人(東芝) 149キロ、陶山大介(JFE西日本)148キロ、06年なら田澤純一(新日本石油)150キロ、上野弘文(トヨタ自動車→広島)148キロなど、150 キロ前後のスピード投手が多く登場したのに、今年は少ない。見た目のスピード感は変わっていないのにスピードガン表示は抑えられているのである。考えられることはただ1つ。京セラ大阪ドームのスピードガンが正常に働き出したということ。

 「MAX150キロ」という景気のいい数字が出たほうが楽しいという意見もあるが、投手の将来のことを考えると真実の球速表示が出たほうがいいに決まっている。スピードが145キロに達していなければ、緩急と緻密なコントロールを身につけようと努力する気になれる。しかし、粉飾された145キロを信じてしまえば、ストレートを前面に出したピッチングスタイルを変えようとは思わない。どちらがいいか、選手の立場になって考えれば答えはすぐ出る。

 ストレート以外の持ち球も紹介しよう。

◇小杉……スライダー128キロ、フォークボール125キロ、カーブ110キロ

◇古澤……カーブ109キロ、スライダー121キロ

◇佐竹……スライダー131キロ、カーブ108キロ、カットボール135キロ、フォークボール132キロ

◇攝津……カーブ112キロ、シュート130キロ、カットボール131キロ、スライダー128キロ

◇佐藤……スライダー124キロ、カーブ116キロ、フォークボールかチェンジアップ124キロ

◇蓬莱……スローカーブ102キロ、カーブ116キロカーブ、スライダー121キロ、チェンジアップ129キロ

 大学生の独壇場になった07年ドラフトの雪辱を果たすべく、田澤純一なども加えた精鋭が08年は大挙してプロになだれ込んでくるはず。来年の社会人野球から目が離せそうにない。

田澤純一

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