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不振の今こそもう一度確認したい、
常識外れの“イチロー・スタンダード”。 

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菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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posted2011/06/15 10:30

不振の今こそもう一度確認したい、常識外れの“イチロー・スタンダード”。<Number Web> photograph by Getty Images

イチローのバットが空を切る。6月7日のホワイトソックス戦では4打数無安打に終わり、打率は2割6分となった

不動の1番打者であることは、どれくらい大変なことか?

 どのチームにとっても1番打者が重要な役割を担っているのは説明不要だろう。

 今シーズンの各チームの1番打者を羅列した表を見てもらえばわかるように、1番打者を固定できないチームもある。そして1番として全試合出場しているのはイチローしかいない。

●2011年シーズン MLB各チームの主な1番打者
アメリカンリーグ
  チーム名 選手名 年齢
東地区 オリオールズ ブライアン・ロバーツ 33
レッドソックス ジャコビー・エルズベリー 27
ヤンキース デレック・ジーター 36
レイズ サム・フルド 29
ブルージェイズ ユネル・エスコバル 28
中地区 ホワイトソックス フアン・ピエール 33
インディアンズ マイケル・ブラントリー 24
タイガース オースティン・ジャクソン 24
ロイヤルズ クリス・ゲッツ 27
マイク・アビレス 30
アレックス・ゴードン 27
ツインズ デナード・スパン 27
西地区 エンゼルス マイセル・イズタリス 30
エリク・アイバー 27
アスレチックス ココ・クリスプ 31
マリナーズ イチロー 37
レンジャーズ イアン・キンスラー 28
ナショナルリーグ
  チーム名 選手名 年齢
東地区 ブレーブス マーティン・プラード 27
マーリンズ クリス・コグラン 25
メッツ ホゼ・レイエス 27
フィリーズ ジミー・ロリンズ 32
シェーン・ビクトリノ 30
ナショナルズ ロジャー・バーナディナ 26
ダニー・エスピノザ 24
中地区 カブス 福留孝介 34
レッズ ドルー・スタブス 26
アストロズ マイケル・ボーン 28
ブルワーズ リッキー・ウィークス 28
パイレーツ アンドルー・マカチェン 24
カージナルス ライアン・セリオ 31
西地区 ダイヤモンド
バックス
ウイリー・ブルームクイスト 33
クリス・ヤング 27
ロッキーズ デクスター・ファウラー 25
ドジャース ジェイミー・キャロル 37
ラファエル・ファーカル 33
パドレス ウィル・ベナブル 28
ジャイアンツ アーロン・ロワンド 33
アンドレス・トーレス 33
※1番での出場数の多い選手の抜粋

 イチロー以外の1番打者の平均年齢は28.97歳。

 チームの中で最も打席が回り、機動力が求められる打者として、若手選手が起用されるのは当然のこと。イチローと同じ37歳は、ラファエル・ファーカルの故障で臨時1番を任されたドジャースのジェイミー・キャロルのみで、あとはすべて年下だ。彼の年齢で1番打者としての質を保ち続けること、それ自体が驚異そのものなのだ。

 シーズン200安打にしてもそうだ。これまで当然のことのように達成してきた記録も、彼の年齢を加味するとその凄さが浮かび上がってくる。

 いうまでもなく今シーズンのイチローは、ピート・ローズを上回る史上最多の11度目の年間200安打という記録達成が期待されている。

【次ページ】 イチローとて永遠では無いことを意識して応援すべし!

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