今こそモータースポーツBACK NUMBER

2008年はこの男たちに注目せよ! 

text by

西山平夫

西山平夫Hirao Nishiyama

PROFILE

photograph byHirao Nishiyama

posted2008/01/22 00:00

2008年はこの男たちに注目せよ!<Number Web> photograph by Hirao Nishiyama

 1月17日、モータースポーツ関連雑誌や記者で構成する日本モータースポーツ記者会(JMS)は、今後の活躍が期待される若手ドライバーに与えるJMSアワードに大嶋和也選手を選定。盾と金一封を送った。JMSアワードはかつて佐藤琢磨、小林可夢偉らにも授与されている。

 大嶋和也は1987年4月30日生まれ、群馬県出身(170cm/60kg)。10歳の時からゴーカートを始め、1999年に全日本ジュニアカート選手権でチャンピオン。2004年に限定Aライセンスで4輪デビューし、2005年はフォーミュラ・トヨタ王座に着き、2007年は全日本F3選手権で6勝(8PP)を挙げてチャンピオンに。またスーパーGT300でもチャンピオンとなりダブル・タイトルを手にした。11月の世界F3王者決定戦のマカオGPは3位に終ったが、2008年はイギリスのマノー・モータースポーツよりF3ユーロシリーズにフル参戦することが決まっており「なるべく早く同じTDP(トヨタ若手ドライバー育成プログラム)の中嶋一貴、小林可夢偉と勝負して勝ちたい」と、抱負を述べた。

 さて、今年はこの大嶋和也ばかりでなく何人かのヤング・ドライバーが海外での活躍が期待されている。

 まず大嶋和也と同じF3ユーロシリーズに参戦するのが塚越広大。塚越もゴーカートからレースを始めて2004年に4輪デビュー。2005年にはフォーミュラ・ドリームで9戦全勝。翌年から全日本F3にステップアップし、2007年マカオ・グランプリ第2レースで9位からスタートし、大嶋和也をパスして2位入賞を果たしている。大嶋がトヨタ期待の星なら、塚越はホンダの秘蔵っ子。未完の大器同士の対決が見ものだ。

 注目されるのは、この二人なぜか同じマノー・モータースポーツ(イギリス)からのエントリー。これまでは同じエクイップメントでの“ガチンコ勝負”が見られなかっただけに、今年のF3ユーロシリーズからは目が放せそうもない。

 昨年でF3ユーロシリーズを卒業し、F1の下位カテゴリーであるGP2にステップアップするのがTDPドライバーの小林可夢偉。彼はトヨタF1のサードドライバーでもある。GP2はこれまで吉本大樹、中嶋一貴、平手晃平、山本左近らが挑戦して来たが、最高位は2位。小林可夢偉には日本人初のGP2優勝の期待がかかる。チームは昨年中嶋一貴が所属したフランスのDAMで、優勝経験があるのも心強い。

 そのGP2、今年からアジア・シリーズも発足(全5戦)。小林可夢偉、そして吉本大樹も参戦するこのシリーズの開幕戦は1月25〜26日のドバイ。1週間前の1月19、20日には事前テストが行われ、2日目に小林可夢偉が26台中4位の好タイムをマーク。開幕戦でいきなりの表彰台があってもおかしくない。吉本は18位に終ったが、GP2を知り尽くした男だけに本番での好走に期待がかかる。

 この他、武藤英紀がアメリカのIRL(インディ)に挑戦。昨年は下位カテゴリーのインディ・プロで好走を演じ、また今年のチームが名門アンドレッティ・グリーンであることから、IRL初年度とはいえ大きな期待がかかる。

 佐藤琢磨、中嶋一貴に“追いつき追い越せ”を目標とする若手日本人ドライバーの海外レースに注目し続けたいものだ。

#小林可夢偉
#大嶋和也
#塚越広大
#武藤英紀
#マノー・モータースポーツ

モータースポーツの前後の記事

ページトップ