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プロ4年目のロッテ・唐川侑己に何が?
「勝てる投手」への目覚ましい変貌。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byShigeki Yamamoto
posted2011/05/30 12:10
ちょうど1年前の5月は、右手に打球をうけて中指を骨折して登録抹消となっていた唐川。日本シリーズに出場はしたが、今年は先発ローテーションをきっちり守りたいところ
「エース対エース」で勝ちを呼び込める投手になる!
チームから信頼を受けた唐川は、7回以降の3イニングを1安打に抑え完投。防御率も1.46とリーグトップになった。
しかし、彼に笑顔はない。
「少ない球数(107球)で無四球完投できたことはよかったです。一昨年や去年ならそこで満足していたと思うけど、今年、僕がチームから求められているのはそこじゃない。相手のエースが登板するところで投げさせてもらっている以上、やっぱり先制点や追加点を与えちゃいけないんで……」
野手に故障者が続出していることもあり、右のエースにのし掛かる期待は重い。しかし、巧みな修正能力を見せ、わずかな慢心も即座に戒められる唐川は、また一歩、チームに勝利を呼び込める投手となった。
「安定した投手」から「勝てる投手」へ――。
その真価は、これから試される。