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アフリカ人が消える? 

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酒巻陽子

酒巻陽子Yoko Sakamaki

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photograph byEnrico Calderoni/AFLO SPORT

posted2005/11/11 00:00

アフリカ人が消える?<Number Web> photograph by Enrico Calderoni/AFLO SPORT

 年明けの1月20日から、アフリカ大陸の16カ国が競う「アフリカ選手権」がエジプトで開催される。2年ごとに行われるこの大会、実は、欧州クラブからの評判がすこぶる良くない。

 大会の開催期間である1月、2月は、ウインターブレイク中のドイツを除けば、シーズンの真っ最中。序盤で出遅れたクラブにとっては、巻き返しを図る上で絶対に戦力を欠きたくない時期なのだ。フランスのクラブともなると、主力の6〜7人がアフリカ人選手というケースもある。そうしたチームにとって、その痛手は計りしれない。

 さて、イタリアの場合はどうだろう。合計13人のアフリカ人選手たちが、一時的にセリエAの舞台から姿を消すことになる。FIFAは、アフリカ諸国の協会に対し、大会開幕の14日前に選手を招集することを認めたため、原則的に、クリスマス休暇から再開する1月8日以降はアフリカ人なしでの戦いが強いられる。

 その時までまだ時間はあるものの、アフリカ人を重要な戦力とするウディネーゼ、インテル、ローマなどの幹部は、弱まるチーム力に危機感を募らせている。ローマにいたっては、DFクフォー(ガーナ)の招集回避をガーナ協会に申し入れた。またウディネーゼは、もはやコズミ体制下で不可欠な存在となっているアフリカ人MF、オボド(ナイジェリア)とムンタリ(ガーナ)を失う深刻な事態に対し、1月8日のゲームまで2人を起用したいとする方針を固め、彼らの代表合流を数日遅らせる根回しを始めた。

 昨シーズン、厳寒の1月、2月に行われた公式戦12試合で、7ゴールをあげたインテルのFWマルティンス(ナイジェリア)は、「冬場に強いストライカー」としてチームに大きく貢献した。勝負どころでの攻撃力低下を懸念したインテルのフロントは、ローマのFWカッサーノの獲得に動き出している。

 「カッサーノを獲得できたら、即戦力として使いたい。5番目のストライカーとしてベンチで待機させる気などない」

 第11節を終了した時点で、首位ユベントスに10ポイントもの差をつけられているだけに、マンチーニ監督は、カッサーノの加入が攻撃面で大きなプラス材料になることを期待する。とはいえ、カッサーノが所属するローマにしても、スパレッティ監督との確執が表面化したものの、貴重な戦力をライバルに手渡すとは思えない。

 またインテルは同時に、キエーボの若手FWオビナ(ナイジェリア)にも触手を伸ばしているが、最近メキメキと力をつけているオビナについても、ここにきて代表招集の可能性が高まっている。

 アフリカ選手権がもたらすこの悩ましい問題。冬季移籍期間がスタートするのは1月2日だが、今シーズンは、すでに11月から移籍市場が熱くなっている。

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