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後輩たちの夢を背負った初めての五輪出場。
text by
折山淑美Toshimi Oriyama
photograph byKoomi Kim
posted2008/07/24 18:41
同じルネサス高崎の先輩捕手・乾絵美とともに、エース上野由岐子の力を北京で最大限に引き出す、それが20歳の代表、峰の役割だ。
「上野さんのボールを最初に受けた時は、それまで感じたことのない勢いやキレ、重さが左腕にドーンときて……。次の日に左腕が上がらなくなったのも、初めての経験でした」
無我夢中でプレーした社会人1年目は大活躍して、日本リーグ新人賞を受賞した。上野に投球の組み立てを任されるようになった昨年は、2年目のスランプに陥ったが、世界ジュニアではチームリーダーとして銀メダルを獲得した。
野球少女からソフトボールへ転向した中学時代。きっかけはシドニー五輪で銀メダルに輝いた宇津木ジャパンの活躍だった。最初は投手兼野手として活躍した。だが3年の時、捕手が不在になったためにマスクをかぶることに。そこで彼女は試合を組み立て、勝っても負けても自分の責任、といえるポジションの虜になった。
代表チームでは貴重な右打者でバッティングも期待されるが、ベンチでも他の投手の状態を把握して、投手交替の時は試合に出ている乾に選手の状態を正確に伝える役目もある。
ソフトボールは次回ロンドン五輪の対象競技から外れた。チーム最年少の彼女にとっては初の五輪だが、同時に最後になる可能性もある。
「自分はジュニアの代表として選ばれたと思ってます。もう一度復活するように自分が頑張って、ジュニアの選手たちが希望を持てるようにしたいですね」