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【闘将独占インタビュー】 ドゥンガ 「美しさよりも勝負強さを」 

text by

竹澤哲

竹澤哲Satoshi Takezawa

PROFILE

photograph byTamon Matsuzono

posted2009/09/29 11:30

【闘将独占インタビュー】 ドゥンガ 「美しさよりも勝負強さを」<Number Web> photograph by Tamon Matsuzono

ブラジル代表監督に何より必要なのは「結果」。

 監督就任後、最初に獲得したタイトルは、'07年のコパ・アメリカである。初戦のメキシコ戦を落としながらも、その後勝利を重ね、決勝ではアルゼンチンを3対0で破った。

「優勝したことで自信になったというよりも、正しい道を歩んでいるんだと確信できたね。しかしそこで満足してしまってはいけないと気を引き締めた。私が求めるのは勝負強いチーム。ドリブルからシュートまで、高いクオリティのプレーをして、常に勝利を求める。何より優先されるのは決定力だ。たとえ10回のチャンスを作っても、1点も入らなければ意味がない。それよりも2回のチャンスで2得点する方がいい。結果よりも良いサッカーをする方が大切だと言うものもいるが、結果を出さなければ仕事を続けさせてもらえないのがブラジル代表監督なんだ。

 選手に対しては私の性格をそのまま出して接している。代表でキャプテンを務めたことは今、とても役立ってるね。選手時代によく仲間から相談を聞いたように、選手たちがどのように感じているのか、自由に話してもらっている。最終的な決断を下すのは私だが、選手と情報の交換をするのは大切なことだ」

ドゥンガの目指すシンプルなサッカーとは。

 ワールドカップ南米予選では、昨年6月に行なわれた第5節のパラグアイ戦で初黒星を喫すると、その後もホームでアルゼンチン、ボリビアと続けて引き分けてしまった。

「あの時の批判もすごかったね。しかしアウェイでパラグアイに負けたのは別に不思議なことではない。これまでもブラジルはアウェイでいくつか星を落としてきているからだ。アルゼンチンとホームで引き分けたのもしょうがないだろう。しかし我々が犯した大きな過ちは、ボリビアと引き分けてしまったことだ。ホームでもあったし、確実に勝ち点3を取らなければならなかった」

 第13節のウルグアイ戦は4対0で圧勝しながらも、「カウンターに徹した守備的なサッカーだ」と酷評された。ドゥンガは反論する。

「ディフェンシブなチームが4点も取れるだろうか? しかもブラジルはアウェイでウルグアイに33年ぶりに勝利したんだ。先制点は右サイドバックが決めた。守備的であればサイドバックはもっと下がっているはずだ。そしてもう1点はセンターバックのフアンによるものだった。センターバックが相手陣内にいるようなチームが果たしてディフェンシブであるといえるだろうか。我々のやっているサッカーはとてもシンプルなものだ。相手がボールを持ったときはボールのラインよりもできるだけ多くの人数が自陣にあるようにする。そして我々がボールを持ったら各自が自由に動き回るというものだ」

【次ページ】 歴代代表に負けない“勝負強いセレソン”を。

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