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長島茂雄大いに語る。 <再録連載最終回> 

text by

瀧 安治

瀧 安治Yasuji Taki

PROFILE

photograph byKiyoshi Nishikawa

posted2009/05/26 11:01

長島茂雄大いに語る。 <再録連載最終回><Number Web> photograph by Kiyoshi Nishikawa

再録連載 最終回(2/2)

長島2世ではなく、第2の長島を育てたい。

――ビリー・マーチンはよく動き回る監督なんですよね。いつも動きっぱなし。ベンチから飛び出していきそうになるとコーチに連れ戻されたり。

長島 オレから言わせると、そのぐらい熱中するのは当たり前よ。ベンチ内の最高責任者なんだから。日本の監督っていうのは昔からあんまり動き回っちゃいけないんだという観念があるでしょう。監督はガタガタ動かず、ベンチにどっしり座ってろっていう。でも、動き回るのは当然だと思うね。

――アメリカでは監督自身がやじったり、喧嘩したりで……。

長島 日本の場合、喧嘩はいいかどうか問題だけど、もともと野球っていうのは闘争社会だから。

――後半戦は監督が自ら陣頭指揮でチームを引っぱっていけばどうですか。

長島 いまは王が中心に選手を引っぱっていけるんだけれど、元気あるプレーでグイグイと引っぱってくれる若手も欲しいところだよ。
監督はみんなにまかせて、統括する立場だから。

――監督がいま一番望む若手選手っていうのは、自分の現役時代の「背番号・3・長島茂雄」じゃないんですか。

長島 まあ若手の選手の育成ということで今シーズンも多少のミスは目をつぶっているんだから、オレがユニフォーム着ている間は若手選手に対して責任があるんだけどもね。何とかして元気のある、ガッツプレーの出来る選手を作っていきたいよね。

――要するに入団したころの監督みたいな選手が二人いたら今後の巨人は大丈夫でしょう。

長島 いやいや、一人でいいな。一人でもいればチームを引っぱれるものね。そういう生きのいいやつ、一人ほしいな。育てていきたいね。
だから密かに、夢になるかもわからないけど、夢なんて言ってられないかもわからない、とにかくオレがユニフォームを着ている間に“長島”を作って終らしたいな。そういう夢を持ってんのよ。

――第二の長島、長島二世ですね。いいですね。そのときは永久欠番の背番号「3」はどうします。

長島 やっぱり長島を作りたいですよ。二世じゃなくて、もう一人の長島を。長島二世っていうのは何人も出たけど本物はまだだからね。
その本物を育てあげたときには、もちろん「3」番は次代のリーダーシップをとってくれっていう形で譲りますよ。巨人軍の伝統を守って引っぱっていく選手は必要ですからね。

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