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クラシック戦線は武豊の独壇場に。
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph byShigeyuki Nakao
posted2005/04/14 00:00
ついに円熟の境地に達したらしい武豊騎手の騎乗。最近は売り出しのころのようなユタカ・マジック(真っ先に浮かぶのは、シャダイカグラの桜花賞だ)が出なくなったとも言われているが、恐らくそれはレースの大筋の展開を彼自身が操り、自然な流れに乗りながら勝つことが多くなってきたからだと思われる。
第35回高松宮記念は、久々に武豊でなければ組み立てられない、勝利への戦略が鮮やかに体現された競馬になった。ただでさえ外枠は不利といわれる小回りコースの短距離戦で、しかも騎乗馬アドマイヤマックス(牡6歳、栗東・橋田満厩舎)は馬ごみの中で折り合いをつけ、闘志を徐々に盛り上げながら最後の瞬発力で勝負したいタイプの馬。それがよりによって大外の18番枠を引いてしまったのだから、「正直、落胆しました」と嘆きがもれたのもわかる。しかし、彼はサジを投げることだけはしなかった。