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中邑真輔がリング内外で
見せた王者の風格と誇り。
~“帝王”を倒した新日本のエース~
text by
門馬忠雄Tadao Monma
photograph bySPORTS NIPPON
posted2010/01/28 06:00
高山をボマイェで粉砕し、「今を生きるしか未来は作れない。俺は今日を生きた」と語った
「“次代”で創れ。“時代”を超えろ」をテーマに開催された、新春恒例1月4日の新日本・東京ドーム大会。田上ノアとの対抗戦ばかりがクローズアップされた今回のドーム興行で、「オレがエースだ」という意地を見せ、テーマにふさわしい戦いを披露したのが、IWGPヘビー級王者の中邑真輔(29)だ。“帝王”高山善廣(43)に必殺ボマイェ(走り込んでのひざ蹴り)4連発を見舞い、4度目の防衛に成功。新世代のど真ん中に立ったことを満天下に示したのである。
中邑にとって、高山は待ち望んだ挑戦者だった。両者は'04年1月4日のドーム大会で激突。当時もIWGP王者だった中邑が羽根折り腕固めで勝利し、初防衛に成功したものの、右眼窩底骨折と鼻骨骨折でベルト返上を余儀なくされたのだ。その因縁の相手を15分51秒で叩き潰した意義は大きい。