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難攻不落の巨人を倒したホワイト・タイソン。
text by
前田衷Makoto Maeda
photograph bySumio Yamada
posted2007/05/03 00:00
ロッキー・マルシアノの生涯不敗記録・49連勝まであと3勝と迫っていた「ロシアの巨人」ニコライ・ワルーエフ(33歳)が、思わぬ苦杯を喫し、世界ヘビー級王座から転落した。4月14日ドイツのシュツットガルトで行われたWBAタイトルマッチで、ウズベキスタンのルスラン・チャガエフ(28歳)に2―0判定負けとは意外である。
ワルーエフが14年のプロ歴で不敗を維持できたのは、パワー、技術云々よりも、ひたすらそのサイズで相手を圧倒してきたからである。身長7フィート(213cm)、体重319ポンド(144.7kg)は歴代のどの王者よりも大きい。テクニックもあるから、相手が決定打を浴びせるには、パンチがいい角度で届きにくい。「スーパーヘビー級を新設すべきだ」という声さえあったほどである。