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「遅れてきた松坂世代」
久保康友は逆襲の立役者。
~CSにかける阪神の原動力~
text by
永谷脩Osamu Nagatani
photograph byHideki Sugiyama
posted2009/09/25 06:00
交流戦に強く、通算14勝は川上憲伸(現・ブレーブス)に並んで歴代最多タイ記録である
8月以降、阪神タイガースが急速に調子を上げている。3位ヤクルトに最大13.5ゲーム差をつけられ、一時はクライマックスシリーズ(CS)出場が絶望視されていたが、7カード連続勝ち越し(9月7日現在)で、2.5ゲーム差まで追い上げてきた。この原動力となっているのが、開幕からローテーションを守り続けている5年目の久保康友である。
久保康生投手コーチも「1年を通じて先発ローテーションを守り、大崩れしない。どんな試合でも6回までゲームを作ってくれる」と、久保の働きに合格点を与えている。
2004年のドラフトでは「松坂世代最後の大物」として注目を集め、松下電器から自由獲得枠でロッテに入団。関大一高卒業からプロ入りまでに6年要したが、「同世代の杉内俊哉(ソフトバンク)が社会人3年目でプロ入りした頃は、正直言って焦りました。1年目から先発投手として試合に出られそうな球団でしたので、ロッテに入団することを決めました」と、その経緯を打ち明けてくれたことがある。