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陰の主役は太陽? 猛暑と戦う全豪オープン。
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byHiromasa Mano
posted2009/02/26 00:00
あと少しだけ、その日のメルボルンが涼しかったら、セリーナ・ウィリアムズ(米国)は全豪の栄冠を手にしていなかったかもしれない。
セリーナとスベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)の準々決勝が行われた1月28日は、最高気温43度の猛暑だった。試合は、クズネツォワが第1セットを先取したところで「猛暑対策ルール」が適用され、一時中断。開閉式の屋根を閉めたのち再開し、そこから2セットを連取したセリーナが逆転勝ちを収めた。中断が試合の流れを変えたのだ。
タフさが売り物のクズネツォワにとって、炎天下はセリーナを破る好機だった。会見でクズネツォワは「屋根を閉める前と後では、別の試合だった。私は屋根を開けたままでも快適だったのに」とまくし立てた。一方のセリーナは、空調も入って涼しくなったコートで息を吹き返し、結局、優勝のゴールまで突っ走った。