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競馬場がなくなるのはもう見たくない。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
posted2004/10/21 00:00
地方競馬は青息吐息。どこそこ競馬廃止のニュースなんて、今や珍しくもない。ほんの数年前、4兆円に手が届いた中央競馬の売り上げだって、3兆円かつかつというこのご時世。あれほど通った競馬場に場外に、そういやとんとご無沙汰だなあっていうアナタにこそ、本書を読んでもらいたい。たぶんアナタが競馬と関わっていた時には見向きもしなかった「稼業としての競馬」の現実、ほぼ毎日、日本のどこかに競馬と一緒にあったはずの、ささやかな「華やぎ」の意味。そんなことを思い起こすきっかけになるはずだ。そしてそのうち、アナタがどうしてそんな「異界」に関わることになったのか、たかだか馬の駆けっこにすぎないシロモノに、どうしてあんなに夢中になれたのか……。うやむやにしてきた本当の理由に気づかされるに違いない。官職を捨て、ひたすら競馬の現場をほっつき歩いてきた大月隆寛だからこそ記せたナマの競馬の姿が、ここにはある。