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異色の人気Mリーガー・伊達朱里紗が明かす“声優兼業のリアルな本音”「比率は8対2で麻雀が多い」「正直、葛藤している部分もあるんです」
text by
曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byTakuya Sugiyama
posted2022/11/04 11:01
KONAMI麻雀格闘倶楽部所属の人気Mリーガー・伊達朱里紗さん
伊達 容姿がどうだ、声がどうだ、とかですよね。やっぱり最初は「えーっ」と思いましたよ。私の場合、声優をやっているのでどうしてもアニメっぽい発声になってしまったりするんですけど、それが「ぶりっ子だ」みたいに書かれたりして、「いやいや」って(笑)。声優畑だと普通の感じでも、麻雀畑ではそういうふうに見られてしまう。どちらかというと、わりと勝ち気な性格なんですけどね(笑)。なのでMリーグでの対局中は、なるべく声を低くしようと意識しています。そういう余計なところで嫌われるのはイヤじゃないですか。
――声優業界と比べて、麻雀業界は男女比的にも「男の世界」という印象があるのですが、そのあたりにギャップを感じることはありますか?
伊達 どうなんですかね。ちょっと情けない話なんですけど、昔から同性の友人があまり多くなくて(笑)。声優業界でも仲がいいのは本当に数人で、決して関係が悪いとかそういうわけではないんですけど、私自身が壁を作ってしまいがちなんですよね……。たしかに麻雀業界は男性社会だと思うんですが、その感じは自分にとって楽ではありました。
兼業への本音「葛藤している部分もあるんです」
――Mリーグの選手として活躍することで、それ以前と比べて変化したことはありますか?
伊達 街でファンの方に声をかけられることは圧倒的に増えました。普通に道を歩いていても「伊達さん!」みたいな。「知り合いか?」と思ってビックリしちゃうんですけど(笑)。声優としても顔出しはしていましたけど、基本は声での出演なので、毎日のように放送対局で顔が出るのとは全然違うな、としみじみ思いましたね。そういえば、こないだもPCR検査を担当してくれたお兄さんに「あ、伊達さんだ」って言われました。
――油断できませんね(笑)。ちなみに、麻雀プロとしての活動が声優の仕事に好影響を与えることもあるんでしょうか?
伊達 ありがたいことに、Mリーグ経由で私を知っていただいて、指名してくださった声優としての仕事もたくさんあります。ただ、いまは麻雀の方のスケジュールがかなりタイトで、なかなか拘束時間の長いオーディションなどは受けられないという面もあり……。単発のゲームの収録やライブはできるんですけど、比率的には8対2くらいで麻雀の仕事が多いのが現状です。
――お話を伺っていると、両立はなかなか大変そうですね……。
伊達 正直、ちょっと葛藤している部分もあるんです。ゲームだったりナレーションだったり朗読だったり、声優のお仕事は大好きなのでもちろん続けていきたいんですけど、がっつりディレクションが必要な“お芝居”を求められるとキャパシティ的に苦しくなってしまって……。ファンの方に「もうあんまり声優はやってくれないんですか」とたまに言われることもあるんですけど、ぶっちゃけ私も悩んでいるのです、という(笑)。