大迫勇也の代役は「いまの日本にはいない」？ 中村憲剛が“緊急事態”の日本代表メンバーを徹底分析「吉田麻也とコンビを組むCBは…」

　カタールW杯出場をかけた決戦を前に、日本代表に“緊急事態”が訪れている。これまでスタメンとしてチームを支えてきた大迫勇也と酒井宏樹が負傷のため離脱。前2試合に続き不参加となった冨安健洋も含めて、複数の主力選手を欠いてアウェイでのオーストラリア戦に臨むことになった。

　この状況を元日本代表MF中村憲剛氏はどう捉えているのか。離脱選手の穴を埋める代役候補の起用法も含めて、オーストラリア戦への展望を語ってもらった。（全2回の1回目／後編へ）

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　最終予選が始まってから、「決戦」という言葉を何度も使ってきました。どの試合も負けられないからですが、今回の2試合は正真正銘の「決戦」になります。

　この「決戦」に向けて発表されたメンバーは、ほぼ予想どおりと言っていいものでした。アウェイのオーストラリア戦に予選突破を賭け、その結果次第では、ホームのベトナム戦がW杯出場をつかむための戦いになります。サプライズ的な選出は必要ないと、僕は思っています。

　すでに何度か書いてきたように、チームは生き物です。スタメンとサブを問わずに、メンバー全員で「日本代表」を作り上げていくのです。森保一監督はこれまで同様にチームのベースを作ってきているコアな選手を中心に、決戦に臨む雰囲気や空気感を作り出していくのでしょう。

　メンバー発表前には、新たに若い選手を呼ぶ可能性がある、との報道もありました。しかしながら、この大事な局面では考えにくく、いつもより多い27人のチーム構成でも、すでに招集されたことのある選手たちで固められました。

森保一監督は招集メンバーに大きな変化を加えずに大一番に臨む　©Takuya Sugiyama/JMPA

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酒井宏樹の穴を埋める山根視来は「リーグ屈指の右SB」

　そのなかで、1月下旬の中国戦と2月初旬のサウジアラビア戦で吉田麻也、冨安健洋を欠いたのに近いレベルの出場辞退が起きてしまいました。酒井宏樹と大迫勇也です。チームの一体感を作る重厚なベテランとして、またレギュラーとしてプレーでチームを引っ張る不動の存在と言っていい彼らを欠く、という事態に陥ってしまいました。

　酒井の離脱は、今予選で複数回起きています。代わりは山根視来になるでしょう。

　山根は酒井が不在（オマーン戦ではベンチ入りも出場せず）だった3戦のうち、アウェイのベトナム戦とオマーン戦に出場しました。ベトナム戦は緊張が見えましたが、次第に流れをつかんでいきました。2試合ともに及第点の働きをしました。今回はベトナム戦のようにぶっつけ本番ではないので、ある程度計算できると思います。

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