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【馬主兄弟が語る】親分肌のテーオー、優しいホウオウ…対称的な小笹芳央・公也はなぜ2人とも馬主になったのか?《兄は今年イクイノックス産駒を4億5000万円で落札》

2025/10/13
左からテーオーロイヤル、ホウオウビスケッツ
近年ともに好成績を上げている馬主、それが小笹兄弟だ。兄の芳央は難関大を卒業し、サラリーマンを経て起業。弟の公也は21歳で塗装会社を興し、今や業界トップに立つ。異なる道を歩み、成功を収めた両者はどんなきっかけで同じ境地に辿り着いたのか。(原題:[馬主兄弟が語る]親分肌のテーオー、優しいホウオウ)

 今年9月27日のGIII、シリウスSを制したのは8番人気の伏兵ホウオウルーレットだった。1番人気のテーオーパスワードは7着。前者の馬主は小笹芳央、後者は小笹公也。2人は1学年違いの兄弟である。

「子供の頃、父親に競馬新聞を買いに行かされたんです。最後方から追い込んで差し切ってしまう馬をテレビで見て、競馬って面白いなと思いました」

 兄の芳央は述懐する。弟の公也と一緒に新聞を買いに行ったこともあった。

 しかし、競馬に対する興味の持ち方には温度差があった。兄は、高校生のときにテンポイントとトウショウボーイの一騎討ちとなった1977年の有馬記念をラジオで聴いて興奮した。それに対して弟は、その数年前に国民的アイドルとなったハイセイコーのことを覚えている程度だという。

「競馬がどういうものかはわかっていました。それでも、当時の名馬の名前などは浮かんでこないですね。覚えているのはオグリキャップとかトウカイテイオーとか、僕が事業を始めてから活躍した馬たちです」

 そう話す公也は、中学を卒業後、板前修業を経て塗装会社で働きながらプロボクサーになる。21歳だった'84年に大阪で起業し、その会社を外壁塗装、屋根リフォームのトップブランドへと成長させた。

「馬券を買ったことはありましたが、仕事が忙しく、オグリキャップのレースなども熱心に見ていたわけではなかったんです」

今年9月27日のシリウスS(GIII)を制したホウオウルーレット(手前) NIKKAN SPORTS
今年9月27日のシリウスS(GIII)を制したホウオウルーレット(手前) NIKKAN SPORTS

「馬主になるなら地方ではなく中央にしようと」

 一方、芳央は早稲田大学政治経済学部を卒業後、リクルートに就職した。

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photograph by Photostud / JIJI PRESS

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