パカーンという乾いた破裂音。白煙と同時に弾け飛び散る夥しいガラスの破片。その破片のムシロにボディ・スラムで思い切り叩きつけられる選手たち。想像していた以上の迫力と惨状に思わず身がすくむ。
しかし、一度踏み込んだら癖になってしまうのがデスマッチの世界。「オ・ン・ナは血を見ると血が騒ぐのよ」とかみさんに尻を叩かれ、横浜文化体育館がホーム・リングの大日本プロレスに通うようになった。
血まみれの男たちを手際よく裁くレフェリーは李日韓。女性だ。しかも大日本のエース・伊東竜二の奥さんなのだ。小柄で色白、ポッチャリ型の李さんは軽いフットワークで選手の体を気遣い、蛍光灯の破片を取り除いていく。リング上での目配り、気配りが素晴らしく、筆者の視線はいつも李レフェリーの動きに注がれてしまう。
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