自身の最高位をいくつもの棋戦で更新していることが好調の証である。
昨年末、増田康宏六段(25)は王位戦予選決勝で、竜王戦七番勝負を終えたばかりの広瀬章人八段を破り、王位リーグ入りを果たした。修業時代から大きな期待をかけられてきたエリートの増田だが、意外にもこれが初めての王位リーグ入りだった。
「いままでリーグ入りできなかったのは取りこぼしが多かったからで、数年前は終盤戦も安定しなかった。でもいまは粘り強く戦えるようになり、ミスも減りました。終盤をしっかり戦うための調整法がわかったことも大きいです」
羽生善治九段を育てたことで知られる八王子将棋クラブで腕を磨いた増田は、小学2年生でアマチュア四段に到達していた。その早熟ぶりから「天才少年」の誉れ高く、師匠の森下卓九段は「羽生さんを倒すのは増田」と公言したほど。奨励会でもスピード昇級を見せていた。
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photograph by Kanta Yokoyama(Illustration)