小4終わりの春休み、初めて出た大会の参加選手は3人だけだった。
「1学年上の人がひとりいて、その人はもうゴルフはやめていると思います。あとは僕と英樹でした」
香川の原敏之と愛媛の松山英樹。2人は四国で競い合う同学年のライバルとなった。原は中2から松山を抑えて四国ジュニア3連覇。中3時には日本ジュニアも制するなど全国区の実力者だった。
ところが、高校卒業を境にその名は聞かれなくなっていく。大学に進学せず21歳でプロ転向した原を待っていたのは、鳴かず飛ばずの厳しいプロ生活だった。学生時代から別次元の活躍を見せていた石川遼や松山だけならまだしも、大学に進んだ同期たちがどんどん自分を追い越していく。焦りが募っていく。
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photograph by JIJI PRESS
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