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「みんなで歴史を作るんだ」鹿島に3連覇をもたらした“魔法使い”オリヴェイラの“情熱のミーティング術”とは「30秒くらいキスされた(笑)」《岩政大樹、高井蘭童通訳の回想》
第一印象は、悪い方がいい。最初はネガティブな印象でも、その後にポジティブなイメージが芽生えることで、より魅力的に感じられるから――。この現象を心理学では「ゲインロス効果」と呼ぶのだそうだ。
オズワルド・オリヴェイラと岩政大樹の関係性も、これに当てはまるかもしれない。2007年3月21日、オリヴェイラが鹿島アントラーズの監督となってわずか4試合目、ナビスコカップの初戦で「事件」は起きた。アルビレックス新潟に1-2でリードされていた86分のことだ。
このとき、センターバックの岩政は足に痛みを抱えていたが、自らの判断で最前線に上がっていた。187cmの高さを生かした得点力は、背番号3の強力な武器のひとつである。前年には公式戦で6ゴールを決めている。そのヘディングで、試合を振り出しに戻すことを狙っていた。
ところが、ここで第4の審判がピッチ脇に現れた。高く掲げた交代ボードに示された数字は「3」と「34」。佐々木竜太への交代だった。フィールドの外へと出た岩政は、ベンチ前で指揮官に向かって呟いた。
「なんで代えたの?」
采配批判をしたつもりはない。冷静な顔で言ったはずだ。単純に、足の怪我が理由なのか、攻撃参加した判断が悪かったのかを知りたかった。しかし、質問に返答はなく、握手を求められることもなかった。
試合後、ロッカールームにオリヴェイラのカミナリが落ちた。
「ピッチのすぐそばで、サポーターが見ている状況で、監督に文句を言うなんてありえない!」
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