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【世界陸上】「今までで一番『刺さったな』と」三浦龍司“接触”で失速8位も体と心に響いた“宝物”とは「金メダルは『見えた』と言っておきたい」《男子3000m障害》
2025/09/24
34年ぶりの東京開催となった世界陸上。声援が轟くスタジアムで、全身全霊でメダルを獲りにいった2人の姿が際立った。順大時代から世界に挑んできた、23歳同級生コンビを追った。(原題:[世界陸上レビュー(1)]三浦龍司「体と心に響いた宝物」)

膨らんだ夢が弾けたのは、35台目の障害を越えた直後だった。
9月15日、男子3000m障害決勝。序盤スローな展開で進んだレースは、ラスト2周に入ってじわりとペースが上がった。後方で息を潜めていた絶対王者エルバカリ(モロッコ)が先頭が見える位置までポジションを上げ、三浦龍司もその背中を追うようにスピードアップ。スタンドのボルテージはさらに上がり、観客の声援がトラックに響きわたるが、選手たちは勝負のポイントがまだ先であることを理解していた。
ラスト1周を告げる鐘が鳴り、31台目の障害を越えると、世界記録保持者のギルマ(エチオピア)が先頭に出て一気にペースが上がる。本当の意味での「叩き合い」の始まりだった。
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photograph by Nanae Suzuki
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