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「当然、お金が必要ですから…」トム・ホーバスが日本バスケットボールに愛情と熱量を注ぐ理由「信じればチャンスは無限大」《栗山英樹の連載:ジャパンメソッド③》

栗山英樹さんがホストを務める対談連載「ジャパンメソッド」
栗山英樹さんの対談連載第3弾は、東京五輪でバスケ女子代表を銀メダルに、パリ五輪では男子を48年ぶりの自力出場に導いたトム・ホーバスHCが登場。厳しい指導の背景や選手を信じることの意義について熱く説いた。(原題:[隔号新連載 世界で勝つための方法論(3)]栗山英樹×トム・ホーバス「信じればチャンスは無限大」)

Tom Hovasseu'sメソッド Method

  1. 「プロなんだから、できて当たり前」は危険。
  2. コーチは絶対に選手に嘘をついちゃいけない。
  3. 良さを活かした「うちのバスケット」が大事。

 ◇ ◇ ◇

栗山 トムさんと対談するのは2年ぶりなんですが、お会いするたびに「日本のバスケットを強くしたい」という情熱やパワーが増しているような気がします。日本で指導者となって15年。アメリカ人であるトムさんが、そこまで日本のために情熱を燃やすことができるのはなぜですか。

ホーバス 僕がトヨタ自動車(現アルバルク東京)に加入したのが1990年。そこからNBAを経て、計10年日本でプレーしました。引退後は指導者を目指していたんですが、なかなかチャンスが巡ってこなかった。子どもが2人いますし、家もあります。当然、お金が必要ですから、アメリカの一般企業で働いていました。そのとき、コーチとしてのオファーをくれたのがJXサンフラワーズ(現ENEOSサンフラワーズ)です。アメリカではなく、日本のチームがチャンスをくれたことにすごく感謝していますし、日本の人々は男女を問わずバスケットを愛している。その思いを感じるからこそ「日本のために」というパッションが生まれるんです。

栗山 2017年には女子日本代表のヘッドコーチに就任し、東京五輪で史上初の銀メダルを獲得しました。強化の過程で日本の女子選手の特徴をどう捉えていましたか。

ホーバス とにかく真面目です。女子代表の場合、合宿期間も練習時間も長いのですが、彼女たちは朝から夜まで熱心にバスケットをプレーします。来日したとき「この文化はすごい!」と驚いたものです。

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photograph by Hirofumi Kamaya

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