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「上手い人と下手な人でシーズン最大40点の差がつく」フレーミング技術の“本当の価値”と「落ち込むくらい」の日米格差《緑川大陸コーチが明かす》
「捕球の際にミットは動かすな。動かしたら、審判をだまそうとしたと疑われるから」
日本球界では長年、“ミットを止めるキャッチング”が一般的にいいとされてきた。だが、その常識が変わろうとしている。予備動作も含めてボールの軌道にミットを入れていく、いわゆる“ミットを動かすキャッチング”。そう、フレーミングだ。
アメリカではすでに基本技術として定着し、キャッチャーを評価する指標のひとつとなっているフレーミングだが、それが伝わって日が浅い日本では「審判をだまそうとする技術」として疑問視する人も多く、定義そのものも揺れている。
フレーミングとはいったい何なのか。そして、日本のキャッチャーも身につけるべきものなのか。素朴な質問をたずさえて、この技術の専門家に会いに行った。
フレーミングの定義とは?
「フレーミングはただのミットずらしだ、いや、きわどいストライクの球をしっかりストライクにする技術だ、などとさまざまなことが言われていますが、その定義は審判がストライクとコールする確率を上げるための捕球技術です」
こう語るのは緑川大陸さん。プロでの選手経験はないが、巨人の甲斐拓也のサポートもするキャッチャーコーチだ。フレーミング研究の第一人者として、NPBの審判団への説明を行なった経験もある。
評価の分かれるこの技術の有効性について、彼は次のように語る。
「アメリカには『キャッチャーの捕球技術が審判の判定、ひいてはチームの得失点を左右するのでは』と考えた人がいて、膨大なサンプルを調査した結果、フレーミングの上手い人と下手な人でシーズン最大40点の差がつくことがわかりました。みんながフレーミングに力を入れ始めたことで、その差は徐々に縮まっていますが、ブロッキングやスローイングよりも重要な技術であることが明らかになっています」
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