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《独占直撃》「他の人では気づかない、わずかな間を…」正捕手ウィル・スミスが語る山本由伸“2年目の進化”と意外な経歴「キャッチャーは大学から」

2025/03/21
攻守にわたってドジャースの屋台骨を支えるスミスはメジャー7年目に入った(左)
日本で抜群の実績を重ねた右腕のメジャー挑戦を陰で支えたのはドジャース一筋の司令塔だった。いかに工夫し、リードしてきたのか。コンビ2年目を迎え、左手に伝わるボールの進化を明かした。(原題:[正捕手が語る]山本由伸と築く最強バッテリー)

 ウィル・スミス捕手は昨季、レギュラーシーズン、そしてプレーオフでも山本由伸の球を受けた。打者の性質、日本とは異なるストライクゾーンや公式球、言葉の壁など山本には向き合う課題が多くあったが、スミスは常に陰から支えた。

「打者がヨシ(山本)にどんなアプローチ、ゲームプランで臨み、どんな球種を待っていて、どの球にタイミングが合っているのか。その状況でヨシがストライクを取れる球種は何か、どの球を振らせるか。ヨシの投球と打者の仕草を見て瞬時に判断するよ」

 先発投手の中には立ち上がりにリズムに乗れず、制球が整わない投手もいる。山本も昨季は初回に四球や得点を与えることが多かった。山本がイライラした表情を見せると、ゆっくりとボールを返したり、タイムをとってマウンドに歩み寄る。

「ヨシは自分の強みを理解しているし、武器になるすばらしい投球がある。常にそれを軸に配球を組み立てたくなる気持ちは分かる。でも、それが試合で機能しなかった時にどの球種を軸にするか、瞬時に切り替える必要がある。僕の役割はどんな展開でもヨシがベストの投球ができるようにすることなんだ」

 バッテリーの関係は2年目に入り、さらに充実度が高まっている。

「ヨシはどの持ち球もキレが増しているし、内角攻めに磨きがかかっている。去年と比べて間の取り方も上手くなった。他の人では気づかないようなほんのわずかな間だけど、テンポを変えることで投球がさらに良くなっている」

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photograph by Nanae Suzuki

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