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【フィギュアスケート傑作選】「いつもの5倍は緊張しました」坂本花織17歳が戦った“魔物”とは何か?「壁があっても、当たっていくしかないです」《平昌五輪の裏側/2018年》
2月23日、フィギュアスケート女子フリーの演技を終えると、坂本花織は言った。
「(いつもの大会の)5倍は緊張しました」
──五輪だからですか?
「ん? あー(笑)」
一瞬戸惑ったあと、意味を理解したように笑顔を見せる。だが、その表情にはどこか消耗の跡が窺えた。オリンピックという舞台はやはり、特別なものだったのか。
全日本選手権で会心の演技を見せて五輪代表切符をつかみ、四大陸選手権では初出場で優勝の快挙。今シーズン、著しい成長を遂げてきた坂本の足が止まったのは、平昌五輪での最初の試合となった、2月12日の団体戦女子フリーのときだった。
冒頭の3回転フリップでバランスを崩し、予定していたコンビネーションジャンプも単発になった。滑り自体も勢いがなく、自己ベストを大きく下回る131.91点にとどまり、出場選手の中で最下位に沈んだ。
リンクに立ったとき、足が震えているのが分かったと言う。
「頭の中に、オリンピックなんだという緊張があったかなと思います」
代表に決まってから常に抱えていたプレッシャーに、抗することはできなかった。
「『ふふっ』と思って、気持ちが楽になりました」
だが、2月21日、女子シングルのショートプログラムでは見違えるような動きを見せる。ジャンプをすべて後半に入れるチャレンジングな演技構成のもと、スピン、ステップと、流れるような滑りが戻った。最初のジャンプとなった3回転フリップ+3回転トウループでも、持ち味の高さと幅を見せつけ、高い加点を得る。
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※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
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