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「彼らは自己肯定感がとても低かった」立命館大アメフト部を“1年で日本一”に導いた元サラリーマン監督の改革の中身とは?【甲子園ボウル制覇の舞台裏】

まだまだ就職氷河期が終わりそうもなかった2003年のことである。立命館大学4回生・高橋健太郎は分厚い筋肉をリクルートスーツで包み、関西電力株式会社の面接試験に臨んでいた。
あなたの長所はどこですか?
就活定番の質問を振られると、アメリカンフットボール部パンサーズの主将は、面接官の目を真っ直ぐ見据えて答えた。
「積極的なコミュニケーション能力と、協調性のあるリーダーシップ能力です」
高橋はパンサーズのディフェンスバックとして活躍し、'02~'03年度のライスボウル(日本選手権)連覇に大きく貢献した。実はこの面接時、社会人アメフトの強豪パナソニックから選手としての獲得を打診されていた。しかし、試合での度重なる脳震盪が原因で、1年間のドクターストップが言い渡されていた。ならばと関西電力一本に絞って、サラリーマンの道を志した。
「関電は単に電気を送るだけじゃなく、インターネットや不動産、セキュリティの事業などもやっていましたから。ここに入れば、いろんな業界のことを知れると思ったんです。でも、まさか僕みたいなノリと勢いだけのやつが受かるなんて、全く期待してなかったんですけどね(笑)」

身体能力にコミュ力と勢いを兼ね備えた就活生は、見事に内定を勝ち取った。入社後は営業、社内教育、労務、ダイバーシティ推進、新卒採用、広報など、あらゆる部署でバリバリ働き、着実に結果を残した。社業のかたわら母校・関西大倉高校やパナソニックのアメフト部でコーチ業を務めていたものの、まさか自分が将来パンサーズの監督になるとは、想像すらしていなかった。
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