#1106
巻頭特集

記事を
ブックマークする

【インタビュー】「えっ、自分が日本代表に?」麻野堅斗19歳の武器は「よく頭をぶつけた207cm」と「ミラノ留学」《次世代ミドルブロッカー》

2024/10/15
現在、早大2年生の麻野堅斗
日本の弱点だった高さを備える19歳のミドルブロッカー。代表での経験やイタリアへの挑戦で刺激を受けながら、ブロック力を世界レベルに高めるべく努力を続ける。尊敬するエース2人と同じ舞台に立つ日を夢見て――。(原題:[未来を継ぐ者たち(2)]麻野堅斗「世界を止める壁になりたい」)

「よく頭をぶつけたりしますね。電車の入口とか、地下鉄だと特に天井が低い場所があるじゃないですか。あれは本当に気をつけないと、危ないんです」

 コートの中にいても目立つ207cmの身長。取材用の部屋への出入りは、首を傾けてドアをくぐる。その様子を見ると、まさに麻野堅斗の高さを実感する。

「さすがにもう身長の伸びは止まりましたけど、小学生のときはすごく頻繁に洋服を買ってもらっていました。高校の制服は買い替えずに済みましたが、3年生のときは袖がだいぶ短くなって、いつも手首が見えている状態で……アハハ」

Kiichi Matsumoto
Kiichi Matsumoto

 小学校に入学したときはすでに147cmあり、卒業までに約30cm伸びた。中学校を卒業するときには198cmまで育っていた。

「え?自分が日本代表に?」より高いレベルを知った高3時。

 小学2年生からバレーボールを始め、恵まれた体格を武器に、早くから頭角を現した。

 東山高校から早稲田大に進み、現在は大学2年生。今年度は主に日本代表Bチームで活動し、ドイツとの親善試合やコリアカップに出場した。将来を嘱望されるミドルブロッカーだ。

 高校3年のときに日本代表の合宿に初めて招集。そこでの経験がより高いレベルを知るきっかけとなった。

「本当にびっくりしました。『え? 自分が日本代表に?』という感じでしたね。1カ月半ぐらい高校を離れて、静岡の合宿に参加したんですが、選ばれているメンバーの人たちは技術もそうですし、何に対しても意識が高いと感じました。一つひとつのプレーに対して妥協がなくて、1プレーごとにメンバーが集まって『今のはどうだったか』と話し合ったり。妥協せず、完璧を求める気持ちが強い。探求心とか向上心が大事だということを身に染みて感じました」

特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Kiichi Matsumoto

2

0

0

前記事 次記事