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[頂点に立った女の美学]神取忍×KAIRI「受け継がれる闘いのスピリット」

2022/07/17
今も語り継がれる幾多の歴史的名勝負を生み出したレジェンドと、本場アメリカで研鑽を積み、さらにスケールアップしたトップレスラー。2人の邂逅によって見えた女子プロレスの過去、現在、そして未来――。

KAIRI 10年以上前、まだスターダムの練習生だったころに、ロッシー小川さん(エグゼクティブプロデューサー)の自宅のプロレス書斎部屋で、ありとあらゆるDVDを観たんですね。忘れられないのが、'93年の神取さんと北斗(晶)さんの試合。記者会見の段階からファンに早く試合を観たいと思わせるタレント力、発言力、パフォーマンスは、私たちが今後継承していかなければならないひとつだと思います。

神取 ありがとう。当時は団体対抗戦というのがあってね、「やるか・やられるか」だったから。

KAIRI 闘いの目をしてました。

神取 たしかにね、よく「犯罪者の目」っていわれてた(爆笑)。

KAIRI WWEにシェイナ・ベイズラーという選手がいて、総合格闘技のUFCから移行して、「最初はプロレスにとまどいがあった」と言ってました。柔道をされていた神取さんはどうでしたか?

神取 それは指導者によるかもしれないね。自分の場合は、プロレスの世界に入って最初の指導者が新日本プロレスの山本小鉄さんだった。小鉄先生イコール新日本は当時、「あらゆるスポーツのなかで一番でなければいけない。強くないといけない」という教えだったんだけど、強さがあっても、相手の技を受けるすごさがなければいけない。

KAIRI 能ある鷹は爪を隠すような?

神取 そう。強さがあっても、プロレスではそこが勝負じゃない。柔道をしていたころは「強くなりたい」、そこばかりを追い求めて、「受ける」という考えはなかったんだけど、いい指導者に恵まれて、頭を切り替えられたというのはある。その運をつかめるか。やっぱ、人との出会いって運じゃん。出会いによって、人生変わるから。そういえばKAIRIさんって、アメリカから帰ってきたんだよね?

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photograph by Nanae Suzuki

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