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「このチームを誇りに思っています」ドジャース・大谷翔平が怪我&打撃不振でも見せた「以心伝心の二ゴロ」とは?《ワールドシリーズの深層》
2024/11/09
メジャーリーグの盟主が43年ぶりに顔を合わせ、両リーグの本塁打王が揃い踏みとなった世界一決戦。制したのは、チームプレーに徹したドジャースだった。その中心には、痛みに耐えて打席に立つ大谷がいた。(原題:[ワールドシリーズ制覇]大谷翔平&ドジャース「このチームを誇りに思う」)
米国東部時間10月30日、午後11時51分。大谷翔平、30歳と118日。彼にとって最も大きな夢のひとつだった『世界一』の瞬間が、ついに訪れた。
フレディ・フリーマンが両手を挙げて喜び、ムーキー・ベッツは雄叫びを上げている。その中で大谷は、公式戦で勝利した時と同じようないつもの笑顔でベンチから出てきた。昨年3月、マウンドで絶叫し、グラブを投げ、感情を爆発させたWBC優勝とは、状況も大きく違う。喜びを噛み締め、フィールド上でナインと分かち合う姿には、選手としての成熟が表れていた。
「最高以外の言葉がない。新しいチームに来て、本当に1年間、みんなで戦ってきて、素晴らしい最後を迎えることができて、最高のシーズンになったと思います。今日、最後まで勝ち切れたっていうのは、本当にこのチームを誇りに思っています」
歓喜のシャンペンファイトでは、ビール180本、シャンペン96本が瞬く間に泡と消えた。
1981年以来、43年ぶり12度目となったヤンキースとドジャースのワールドシリーズは、レギュラーシーズンMVPが確定的な、58本塁打を放ったアーロン・ジャッジと54本塁打の大谷の「世界一決戦」とも表現された。
そのふたりが残した成績は、ジャッジが打率.222、1本塁打、3打点。大谷は打率.105、0本塁打、0打点。数字だけを見れば、ともに物足りない結果であり、ニューヨークメディアに“戦犯”として酷評されたジャッジをも、大谷の成績は下回った。だが、アウトの内容は随分と違う。
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photograph by Yukihito Taguchi