2024年のドジャースにおいて、最大の強みとは何か。
ナ・リーグ西地区のライバル、パドレスの主軸ザンダー・ボガーツはジョーク交じりにこう答えた。
「ちょっと反則じゃない? クレージー過ぎる“トップ・スリー”だ。我々のチームにMVPの1、2、3番打者はいない。ましてや、大谷翔平にいたっては2度のMVPだ。後ろにはテオスカー(・ヘルナンデス)だっている。クレージー以外、ほかにどう表現すればいいんだい?」
今季、ドジャースのチーム本塁打はナ・リーグトップの208、総得点はダイヤモンドバックスの822に次ぐ同2位の742、OPSも同様の.770(いずれも9月15日現在)をマークする。
開幕直後の4月1日から地区首位を守り続ける要因は、間違いなくMVPトリオが牽引する、この打線だ。だが、破壊力満点という表現とはちょっと違う。長くドジャースの宿敵と呼ばれるジャイアンツの将、ボブ・メルビンはこんな言葉で表現した。
「彼らは野球を熟知している。その時々で必要に応じて攻めてくる。成熟した大人の集団だ」
決して順風満帆ではなかった、ドジャースの強力ラインナップ。
だが、このラインナップも決して順風満帆にシーズンを過ごしてきたわけではない。
6月16日、ムーキー・ベッツがロイヤルズ戦で左手に死球を受けて骨折した。欠場期間は45試合にも及んだ。フレディ・フリーマンは7月末に愛息のマキシマス君(3歳)が、手足に力の入らなくなる難病「ギラン・バレー症候群」を発症したことでチームを離れた。集中治療室で治療を受けるマキシマス君を、愛妻チェルシーさんと共に病院で看病した。幸い、マキシマス君は快方に向かい、フリーマンは8試合の欠場でチームに復帰したが、8月17日のカージナルス戦の守備で右手中指を亀裂骨折してしまった。これ以上、チームを離れるわけにはいかない。そんな思いでフリーマンは強行出場を続けたが、8月27日からのオリオールズ3連戦で再び欠場した。チームは「骨折のため」とアナウンスしたが、実情は違った。
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