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「もうバッターに投げられない」ライオンズに復帰した松坂大輔を襲った「突然の痺れ」と「マヒ」は何だったのか?~連載「怪物秘録」第53回〜

2024/10/09
ライオンズに怪物が帰ってきた。キャンプをこなし、シーズン3試合目の先発が内定していた矢先にコロナ禍で開幕の無期限延期が決定。歯車がまた狂ってしまった。

 14年ぶりにライオンズに復帰した松坂大輔は2020年2月1日、背番号16のユニフォームで南郷キャンプに臨んだ。ファンからの「お帰りなさい」の声に松坂は照れ臭そうに笑っている。サブグラウンドへの135段の階段を、その昔、手すりに腰掛けて滑り降りた無邪気な20代の松坂はもういない。松坂は39歳になっていた。

◆◆◆

 ライオンズへドラフト1位で入団したピッチャー(今井達也、高橋光成、齊藤大将、松本航、宮川哲)がブルペンで投げているのを見ていたら、メディアの人から「若手へのアドバイスは……」「若い選手を見て昔を思い出したか」と、つまり若くない僕に(笑)、若い彼らをどう思うかという質問が相次ぐわけです。僕は人の投げているボールを見るのが好きなので興味を持って見ていただけなんですが、周りはそうは思わないんだと思いました。彼らが投げているのを見て気になることはありましたけど、僕から何かを言うことはありません。もちろん聞かれたら答えますよ。でも競争の中でローテーションなり開幕一軍を争っていくわけですから、年齢は関係ありません。

感覚よく調整も、まさかのコロナ禍で開幕無期限延期に。

 14年ぶりのライオンズ、知った顔は減っていました。でも、ライオンズってこういう感じだったよなと懐かしく思い出しました。みんな仲がよくて、ギスギスした感じがない。南郷も馴染みのある場所で、キャンプは違和感なくスタートできました。短い間隔でブルペンに何度も入って、中1日で100球を超える球数も投げました。2月末には実戦で登板、オープン戦でもイニング数を伸ばしていきました。

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photograph by Kiichi Matsumoto

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